~指導ミス6~

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指導ミス1:犬を叱っちゃいけないという指導

そのしつけ教室では犬にストレスがかかるから犬を叱らないようにトレーニングをするのが方針だそうです。残念ながらストレスをかけないしつけなどこの世に存在しません。確かにしつけの基本は人間がやってほしくない行動をなるべく取らせないように振る舞い正しい行動へ犬を導くことです。

しかしその過程で必ず無視・拒絶・反抗というしつける側の意思に反する行為が見られます。犬と人間は上下関係の確立によって共存がたもたれるのです。無視・拒絶・反抗という行為に対して人間が無表情・無反応だと犬は自分の行為を肯定されたと思います。犬に無視・拒絶・反抗という行為が見られなければ叱る必要はありません。

しかしそれが明らかな場合は人間がそれを認めないという態度をハッキリ示さないと上下関係は確立しないのです。そのために叱らなければならないのです。それを〝叱っちゃいけない〟という指導は明らかにミスなのです。

叱ってもいいんです。その後のフォローをきちんと行い犬になぜ叱られたのかを理解させればなんの問題もありません。犬を叱るのも愛情です。アメばかり与えることを教え負の部分に目をそむけるのは正しい指導とは言えません。

指導ミス2:胴輪の使用

犬に引っ張らないことを教えようとしているのに引っ張られやすい胴輪を使うというなんともお粗末な指導です。

指導ミス3:上下関係のあり方の説明不足

全犬種にも言えることなのですが日本犬の特性の一つとしてとして〝強いものに従う〝という習性が他の犬種より強いように思われます。それは体力的な面でという意味もありますが立ち居・振る舞いという面においてもという意味です。したがってオーナーさんが強くなければ従いません。指導ミス4・6にもつながりますが間違ったトレーニングの仕方ではオーナーさんがワンちゃんを支配・統率する立場に立てないことがあります。犬とオーナーさんとの上下関係の築き方の指導にミスがあったと考えられます。

指導ミス4:ご褒美のエサの間違った使用方法

ご褒美のエサはその犬がそれを欲しいと思ってこそ効果があるのです。それを馬鹿の一つ覚えのように犬が欲しいと思ってもいないのに何かにつけエサをちらつかせダラダラとトレーニングを続ける。こんなトレーニングでは芸は教えることはできても服従心は芽生えません。性格の素直なワンちゃんなら何の問題もありませんが我の強い性格のワンちゃんに続けると命令に対する強制力が薄れ逆効果です。

指導ミス5:家庭訪問の未実施

日本犬は特にテリトリー内での行動とテリトリー外での行動に違いが出ます。外であるていど利口に振舞っても自分のテリトリー内では勝手を通そうとするものです。ですから家での行動と教室での行動が極端に違う場合には家庭訪問を実施し犬のテリトリー内でのトレーニングも行うべきなのです。トレーナーのいうことは聞くけど飼主のいうことはあまり聞かないとよく言われますがここに原因があるのです。訓練所の中にも訓練所での態度と家庭での態度が違うのを放置している訓練所がまだ多く存在します。多少の違いは当然ですがオーナーさんが困るようなものであれば家庭訪問を実施しリアルタイムで指導すべきなのです。

指導ミス6:トレーニング方法の選択ミス

そのしつけ教室では欧米流のしつけトレーニングを推奨しているらしいのですが〝欧米流のしつけトレーニング〝が通じる範囲外の犬に対していつまでも同じトレーニングを続けたということ、これが一番のミスでしょう。結局そのしつけ教室はプロが主宰している教室ではないのでトレーニング方法の幅が狭く限られたタイプのワンちゃんにしか対応できないのです。

だからといって「うちではできませんのでよそへ行ってみてください」などとは決して言わないでしょうからオーナーさんはずるずると通ってしまい大切な時期を逃してしまい手のつけられないワンちゃんへと育ってしまうのです。その結果かえって再訓練に時間がかかってしまうのです。さいわいこの子は上手く矯正訓練が終了し現在ではオーナーさんがコントロールできるようになり歯をむくようなことはなくなり平穏な日々を送っています。

総論

有名無実のトレーナーさんにひっかからないように注意しましょう

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