~なんでそーなるの?~

電話や面談で相談を受けていて一番むなしくなる言葉を相手に発せられることがある。

「犬にそんなにお金をかけられない」

他人様のお財布の中身に関することなので言いたくないのですがその方の飼ってるワンちゃんの行く末を考えると言いたくなってしまいます。少なくとも何とかしたいと思って相談してきたであろうに話を聞いて「まだまだ更正の可能性があるワンちゃんだな」と判断し、訓練の重要性、訓練の効果、終了後のケアを事細かに説明し終わった瞬間・・・

「犬にそんなにお金をかけられない」

と言われるとへこみます。

どんなに一生懸命説明しても本人にその気がなければどうすることもできないのである。

「私に出来ることは何もありません。」と答えるしかないのである。

犬という生き物は飼い主が気に入らなければ咬みつくのである。どんなにおいしい物を与えようが綺麗な洋服を着せようが毎日ブラッシングしようが、これでもかというほど愛情をかけようとも本能のままに動くし気に入らなければあっさりと咬みつくことさえある。それを犬を飼う人はまず第一に認識するべきである。

“犬は最高のパートナー”、“癒しを与えてくれる”、“愛玩犬”、“犬がいない生活は考えられない”、“犬のいる楽しい生活”など良いイメージを持っている方も多いかと思いますが必ず犬を飼う前に犬の悪い所もきちんと認識してから飼って欲しい。

“気に入らなければ咬む”“吠える”“物凄い力で引っ張る”“トイレを覚えない”“家中の物を咬む”“マーキングをする”“脱走する”“ケンカをする”などなど世話をしていることが苦痛に感じてしまうケースに陥ることさえあるのです。

充分認識しているという方でも犬種・性別・遺伝的要素・飼育環境などにより思わぬワンちゃんに育ってしまうことがある。そうなる前に手を打つ準備をすることこそが「危機管理」なのです。困ってから動くのでは遅いのです。転んでから杖を持っても遅いのです!!

誰が一番可哀想か考えてみてください。適齢期にきちんとしつけをされずに人を咬んで嫌われ無駄吠えをして近所の人に怒鳴られ挙げ句の果てには「犬にそんなにお金をかけられない」と言われ保健所に連れて行かれてしまう犬なのです。

専門的な訓練が必要になってしまい何十万も出費する羽目になってしまった飼い主ではないのです。その費用は犬を飼うときにあらかじめ計算に入れておかなくてはいけないのです。「かわいい~ん」とか言って後先考えずに飼ったり、ぬいぐるみや贈答品のように考えてはいけないのです。

“危機管理”できてますか?

総論

その犬の行く末を心から考えれば自ずと危機管理の手段は見えてくるはずです。犬を飼うことをためらうことも立派な危機管理だと思いますよ。

絶滅危惧種:中村信哉は絶滅の危機に瀕しながらも今日も咬みつくわんこを見守る

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次