~三つ子の魂百まで~

今回のお話はこれから犬を飼おうとしている方、飼って間もない方に向けてのお話です。ちょっと力が入りますのでうちわ片手にご覧ください。

先日、ある女子プロゴルファーの伯父にあたり九州で保育園を営んでる方の講演会でお話を聞く機会に恵まれました。
演題は・・・

「三つ子の魂百まで~子供のしつけ~」でした。

言うまでもなく子供のしつけについてのお話です。話を聞いていて「うんうんまさにその通り!良いこと言うな~」と感心しまくりの私でした。これは教育論のお話なので人それぞれだと思うので「いや私はそう思わない!」と思う方はさらりと読んでいただきたい。

もっとも皆様に伝えたいと思った点はなんと言っても「大事な時期を逃さない」という点です。子供は3~5歳がもっとも伸びる年齢だそうです。その伸びる時期に始めることがしつけしやすく、なおかつ子供の能力を伸ばしやすいそうです。そして小学4年生をピークにだんだんしつけしづらくなるそうです。犬も同じなんです。

またその方は「子供の能力を伸ばすしつけは家庭ではできない」とも言っていました。

その真意は私なりに解釈すると“しつけに関する知識・情報の不足、子供(自分)に対する甘え」がそれを不可能にするということではないでしょうか。しつけに関する知識・情報は専門家にはかないません。その証拠に我々は専門家のいる学校に子供たちを通わせているではありませんか。困ったときは専門家に相談するではありませんか。なぜ犬だけ何が何でも自分でしつけしようとするのでしょう?
悪いことではありませんが間違った手段・方法では何の意味もありません。

「一番かわいい時期に訓練所にいれるなんてできな~い」

なんて言ってる場合じゃないんです。そのだらしなさが愛犬をダメにするんです。

その大事な時期にいい加減な事ばかり書いてあるしつけ本を読んで自分でやってみたもののどれも中途半端に終わって、いたずらに時が過ぎて気づいたときには手のつけられない状態になって訓練所に預ける・・・そんなこともうやめにしませんか?

犬の訓練に携わって19年、ずーと前から思ってたんですけど私はついに確信しました。いや正確に言うと確信していたけど声を大にして言うのを遠慮していました。これからは声を大にして言います。

「犬を飼ったら生後6~8ヶ月の間に訓練所に預けましょう。“預けて訓練する”です。預託訓練では出張訓練や飼い主にはできない犬にとって大きな財産となる様々なことを経験させてあげられます。」

これが19年間訓練に携わってきた私の答えです。しつけを始めるのにもっとも適した時期に飼い主の下で過ごすのは飼い主のエゴであり犬にとってはよくありません。親元を離れ他人やいろんな犬と共同生活をしながらトレーニングすることこそが本当のしつけです。

私は“本物のしつけ”を施すことに今後の訓練士生活を捧げます。それがよそのいい加減な出張訓練やしつけ教室で大事な時期を棒に振って私の下に辿り着いてきた犬たちを見てきた私の答えです。ですから昨年度で出張訓練もしつけ教室も廃止して預託訓練のみでやっていくことにしました。飼い主の「離れるのが寂しい」はもう聞きません。飼い主の「自分でやりたい」も聞きません。そのどれもが犬にとって良い結果をもたらさないことが証明されたからです。

子供を学校に行かせない親がいるでしょうか?他人と接することをさせない親がいるでしょうか?出張訓練もしつけ教室もメリットはあるでしょう。ただし部分的なメリットはあっても総合的に見てデメリットもたくさんあります。本当に教えなくてはならないことを教えるのには適していません。英語を教えてきちんと挨拶することを教えない。パソコンを教えて相手の気持ちになることを教えない。親のクレームにたじろいで子供を叱ることもできない。出張訓練やしつけ教室にはそんなかわいそうな教育現場に似たものを感じます。

「経験させなくてはならないことを大切な時期に経験させてあげられないことは真のしつけ・訓練にあらず。」

これからは誰がなんと言おうとこの方針でいきます。もちろん適齢期を過ぎた子や問題行動犬たちも受け入れて従来通り訓練します。それが私に課せられた使命です。

総論

困ってからではなく困る前に訓練することが飼い主の努めであり、犬にとっての幸せです。この先起こりうるであろう様々な状況に少しでも対応できるような子に育てるには預託訓練がベストです。

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