オーナー様は品の良い年配のご夫婦。
人を見ると反射的に襲いかかるという問題行動が出始め、「これはいかん!」とすぐに対応したものの運が悪かったとしかいいようのない実にお気の毒なしつけ・訓練遍歴を辿ってしまう・・・。
ご覧あれ!
1、生後6ヶ月~
最初の預託訓練 おもちゃに興味を示さないというだけの理由でわずか2週間で退所勧告を受ける。預けた後で知った家庭犬のしつけには力を入れていないスポーツドッグ専門の訓練所。
2、生後7ヶ月~
出張訓練開始 3ヶ月間依頼して効果なし
※この時点でトレーナーの腕にも開きがあることに気づいていたらgood!!
どんな職種でもピンキリです。見分け方は非常に難しいのですがあることはあります。聞きたい人は直接ご連絡ください。
3、生後10ヶ月~
預託訓練 3ヶ月間 集団の中で訓練ができないということで延長した1ヶ月も含む
※ここで犬歯カット!「効果ができない」と追い返されるように退学。
4、生後1年2ヶ月
出張訓練開始 1年間依頼して効果がないので中止。
5、生後2年7ヶ月
近くの訓練所に預託訓練を依頼。わずか3週間で「効果は期待できない」という判断を下され、退学。
6、生後2年8ヶ月
前訓練所に在籍中に相談を受け、希望が持てることを伝えるとすぐに訓練を中止して“藁”の下へやってくる約半年の訓練後、卒業記念に競技会に出陳して卒業。
ご自宅そばの大型ショッピングセンター内にてレッスン。人混みの中をオーナー様の顔を見上げて歩くわんこに喜ぶオーナー様の満面の笑みは今でも忘れない。
このわんこに施したことは2つだけ。
基本的にスピードのあるわんこだったので動きはいいし、決しておバカさんではない。自己防衛本能により反射的に人を襲いかかっていたので反射を上回る神速の制御と罰を与えることで自制が効くように訓練した。それと左右脚側回転停座の2つを徹底して繰り返す。その他のフセやマテは勝手に入っていった。本能が発動しないようになるまで訓練するのだから半端じゃない訓練量だったことを覚えている。
卒業して2年経ちますが再犯“0” 年に一度のペットホテルで“藁”の下へ遊びに来ます。
オーナー様は“寂しい”とか“お金がかかるから”いう自分たちの都合は一切口にしなかった。きっと“寂しかった”だろうし“お金もかかった”と思う。だってうちで6件目ですよ。ざっと計算して100万ちょい・・・・うひょー。
1件目で“藁”の下へくるわんこもいれば6件目でようやく“藁”の下へ辿り着くわんこもいる。そう考えると“藁”の下へ辿り着く前にお星様になったわんこもいるのかと思うとやりきれない。
いくらオーナー様が正しくしつけたいと思ってもサイト情報が必ずしも正しいとは限らない。
オーナー様は訓練所はみんな同一レベルの訓練技術を有していると信じ、「改善されないのは自分のわんこが非常にむずかしいわんこだからなんだ」という実に健気な認識でいる。それが大半のオーナー様なのである。しっかりフォローしつつも結果を出さなくてはならない。
はーっ・・・今日もため息が止まらない。幸せが逃げていく。
あっそうそう。ミーはしつけ教室も出張訓練も警察犬も競技犬もアジリティーも繁殖もドッグショーも仔犬譲渡もしないのでご用命はお近くの全国の有名訓練所へどうぞ!
「えっ!?商売する気あんのかって?バリバリですよ(素敵微笑)」
絶滅危惧種:中村信哉は別名“藁”と言われる。“藁”は“藁”でも“筋金入りの藁”である。そう簡単に切れはしない・・・。