~手前味噌~

訓練士とドッグトレーナーは違うらしい。

簡単に言うと・・・・ 

訓練士とは特定の優秀な犬ばかり扱っていて腕が良いと言うより、犬の能力に助けられている人たちのことらしい。

ではドッグトレーナーとは?

いろんな犬種を扱ったことがありどんな犬であろうと簡単にしつけをしてしまう、実績のある腕の良い人たちらしい。

つまり
ドッグトレーナー > 訓練士
と言うことらしい。

近頃のインターネットにはおもしろい文言がたくさん出てくるから、気をつけなければ笑い死にさせられる。

宣伝のためとはいえ、“嘘”はいけない。

いろんな犬種を扱ったことがあるから腕が良いというのは実に早計な物の考え方である。残念だが 取り扱った犬種の種類の多さと頭数の多さは腕の良し悪しに比例しない。
“多芸は無芸”という言葉もある。

いくら駄作を作っても名工とは呼べない。名工とはいい作品を作った人のことを表し、謙虚な人間のこと指す。       

その腕の良いというドッグトレーナーたちがさじを投げ出した犬をたくさん扱ってきた私でさえ、「もっと手強い犬がいるかもしれない」と日々ふんどしを締め直して訓練に精を出しているというのに、素人でも手に負える犬たちをたった数百頭か取り扱ったぐらいで達人きどりで訓練士を蔑むような発言をするのは少々行き過ぎなのでは?と思う。

野球盤でホームランを連発する子供が世界のホームランキング王選手に「僕はあなたに負けない!」と言っているようなものである。

“抱腹絶倒”するなと言ってもそれは無理な話である。

だいたいからして家庭犬はドッグトレーナー、警察犬・盲導犬などの職業犬は訓練士という発想が訓練の本質を理解していない証拠。警察犬になる犬は確かに優秀な犬が多いことは否定しないが家庭犬としてのトレーニング過程を通過してはじめて高等訓練に移るのだから、訓練士が家庭犬の訓練ができないわけがないのである。

なにより警察犬を育てる事は容易ではない。警察犬になる犬はすべて優秀だと思ったら大間違いである。神経質な子だっているし、気の強い子もいる。理解力の乏しい子だっているし、素質に恵まれない子だっている。それをあの手この手、知力・体力・忍耐力を駆使してようやく1頭の警察犬を育てるのである。しかも年に1度の厳しい審査をくぐり抜けてである。勝手に警察犬に育っていくのではない。

そういった点では家庭犬の訓練と何ら変わりはない。家庭犬も警察犬も両方育て上げてきたからこそどちらの犬を作り上げるのが難しいなどと簡単に優劣をつけることができないのである。どちらも難しいのである。

そもそもどんなトレーニングをするにしても訓練の基本は同じなのだから“ドッグトレーナー”と“訓練士”というふうに区別すること自体ナンセンス。

技術論について宣伝するなら結構だが「自分が一番!」などという優劣についての話なら飲み屋でやって欲しい。

そんな小さなことではわんこに抱腹絶倒される。

絶滅危惧種:中村信哉は絶滅の危機に瀕しながらも今日も咬みつくわんこを見守る。

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