こんにちは。“絶滅危惧種”の中村です。
実に的を射た表現をした見習いのリベロ佐藤綾夏の言葉をタイトルに今月よりスタートです。
見習い訓練士の月刊コーナーに負けず、訓練について日々思うことを”ぼやき”と“ツッコミ”を中心に繰り広げる新コーナーです。
初回は“絶滅危惧種:中村信哉”とは何なのか?を自己分析と証言を元に紹介させていただきます。
絶滅危惧種:中村信哉の生態について
他種族と明らかに違う行動
- 咬まれたら十数針縫うことも覚悟しなければならない本気咬みをするG・ピレニーズを楽しそうに訓練する
- 鼻歌を歌いながら咬みつく柴犬を訓練する(しかもよそ見をしながら・・・)
- 同業者お手上げ状態の咬癖犬(本気咬み)を喜んで訓練する
- 大事な試験の前日にゴルフに出かける
※聞き込みの結果新たな情報が入りました!!
- 犬の事を考えない自分勝手な飼い主には容赦なく怒る
- 「犬がかわいそう」と言って叱れない飼い主にも容赦なく怒る
緊急速報:商売っ気がないので犬を第一に考えない飼い主には手厳しいことが判明。
ご注意下さい!
目撃談や実際に遭遇した人の証言
- 「彼の手に負えない犬はもうあとがないですよ」(茨城県在住S訓練士さん)
- 一見獰猛そうに見えるが滅多に襲ってこない
- 意外と子供に好かれる
- 笑ったことがない(平成4~6年の2年間:たびたび目撃した女性の話)
- 仁王立ちで立っていることが多く、睨まれると金縛りにあったみたく動けなくなる(平成10年頃金縛りにあった女性の話)
- 運動場を駆け抜け、壁をつたって2階へ駆け上る(平成4年頃の目撃談)
天敵
- 草食系動物
- カリスマ
弱点
- 腰
※絶滅危惧種:中村信哉の生態についてはまだまだ解明されてない部分も多くあり、新たな発見がされたら追って報告いたします。
確かに人とは違うなとは自分でも思っていました。でも咬癖犬を訓練するのは訓練士として当たり前のことだと思っていたのであまり気にとめていませんでした。ところが年を追う毎に咬癖犬を訓練する訓練士がいないということが明らかになり、知ってる訓練士も「うちはやらないよ」とか「歯を削って去勢して訓練した」とかそんな話ばかりです。リベロ佐藤綾夏に“絶滅危惧種”と呼ばれて“ハッ”としました。
「オレってやっぱり変わってたんだ・・・。まぁいいや・・・」
競技会でいい成績を取るのも悪くはなかった・・・。全日本3位を獲得して表彰されるのもいい気分だった・・・。だけど何か違うんじゃないか?日本の訓練技術ってそんなことのためにあるの?日本の訓練士が持ってる訓練技術をもっと咬癖犬に活かすべきじゃないの?できないのなら仕方ないけど、「やればできるのに何でやらないの?」って思う人が結構いるんですよね。
“世界基準”とか“学術的に証明されつつある正しいしつけ方”なんて言われる“褒めてしつける”訓練なんかでは到底訓練できない犬を訓練できる技術を持っているのに・・・
咬癖犬は飼い主に疎まれ、周りに疎まれ行き場を失っていくというのに・・・。
実に寂しい・・・実に情けない・・・。
分身の術が使えればもっともっとたくさんの咬癖犬を救えるのに・・・
訓練士を目指す若者にもっともっと骨があればよいのに・・・
飼い主の目に止まる情報がもっともっと正しいものであればよいのに・・・
咬まれることを顧みず、自分の精神が壊れそうになることも顧みず、ただただ「あの頃に戻してあげたい」その一念で日々わんこと向き合う。
「はじめまして」
そう言ってわんこを迎え入れたあの頃に・・・
絶滅危惧種:中村信哉は絶滅の危機に瀕しながらも今日も咬みつくわんこを見守る