~木偶人形~

いろいろなサイトを見ていておもしろい映像や発言を目にする。熱心にストレス完全排除を掲げる人もいるものだと驚いた。

「まず犬がやりたいことをさせろ」と言う割に「あれもストレス、これもストレス、それもストレスだからやめろ」 と言う。

「どっちなんだよ・・・・。」(ガンチつぶやく)おおガンチ!!

走るのもダメ、早足もダメ、ボール投げもダメ、アジリ ティーもダメ、フリスビーもダメ、服従訓練もダメ、ドッ グダンスもダメ、叱るのもダメ、追いかけっこもダメ、 呼ぶのもダメ、マテもダメ、オスワリもダメ、犬を使役 に使うなんてもってのほか・・・・・全部ストレスがかかるからやめろ。

ストレスをなくせばおとなしい犬になるから命令もしつけも訓練もいらないと言う。

「生きてて楽しいのか?そんな生活・・・・。オレだったら出てくよ・・・。」(ガンチ絶望)

疲れたっていい、サッカーがしたい。転んだっていい、追いかけっこがしたい
勉強大嫌いだけど、いい点取ると気分がいいから頑張る
練習辛いけど試合に勝ちたいから頑張る

人間だって仕事や趣味のスポーツをする時に何らかのストレスがかかることがある。だがそれを“凌駕する楽しみ”がある。 犬だって走りたい時もあるだろうし、何かを追っかけたい時があるはずである。はじけたい時だってあるし、無性に吠えたい時だってあるだろう・・・。全部を認めるわけにはいかないがケジメをつけて、接すればいいだけのこと・・。

「ストレスをなくせばおとなしくなる!」

それはそうだろう。 興奮をさせないようにしているのに勝手に興奮していたらそれもおかしい・・・。
喜ぶようなことをひとつもしていないのに勝手に喜んでいたらそれも変だ・・・。

私たちは犬の持っている豊かな表現力やダイナミックな躍動美、おちゃめな仕草やツッコミを入れたくなるようないたずら、時にはお互いの鼓動をぶつけ合ったり、無視をしたり、犬と喜怒哀楽のキャッチボールをしたくて飼ったのではなかろうか?

おとなしければいい・・・・。問題を起こさなければそれが良い犬・・・。本当にそうなのだろうか?

私はボール投げをする時のデニスの目のかがやきが大好きだ。もうそれで頭がいっぱいになっている顔がかわいい。思わず吹き出しそうになる。

「ストレスがかかる!!」

それがどうした。デニスはボールが大好きなんだ。

時たまキャッチに失敗して鼻をこすることもあるがそんなの屁でもなさそう。嬉しそうにボールをガジガジしてる。2個あげると一個ずつ持っていき2個大事そうに両前足で押さえる。(写真)

ポケットに手を入れると「もう一個くれんの?」とあげたボールをはなしてすっ飛んでくる。

「だからストレスがかかるんだってば!!!」

だから何だ。デニスは嬉しいのである。ボールをもらって嬉しいのに何でストレスがかかるんだ。仮に動作によってストレスがかかっても“嬉しい”からプラマイゼロだ。

シェパードにはシェパードの魅力がある。想像してみていただきたい。

地面の匂いを嗅いであっちへフラフラこっちへフラフラ、もそもそゆったり歩くシェパードと意気揚々と足取り軽く、時には跳びはね、時にはダイナミックに走り、ビタッと止まったら岩のように動かない、“静と動”を身に纏ったシェパードのどっちがかっこいい・・・。犬が映えるのは“静と動”を身に纏った時である。それは何もシェパードに限ったことではない。

もちろんボーダーラインを超えるような喜怒哀楽はNGであることは言うまでもない。だからボーダーラインを超えないようにトレーニングするのである。もちろんケジメがつくようになるまでは多少のストレスはかかる。

「これはストレスがかかるからやめたほうがいい!」という事のほとんどが犬の喜怒哀楽を封じており、“犬らしさ”を奪っていく気がしてならない。

かけたストレスは抜けばよい・・・。疲れた体は癒せばいいじゃないか・・・。それじゃダメなのか? かけっぱなしだからおかしくなるんだろ・・・・。

“犬らしさ”を奪う教育方法が正しいのか?

本当に犬の立場に立っているのか?

それこそ人間に都合のよい人形を作ろうとしているのではないか?

さあデニス、ストレス撤廃論者は放っておいてボール遊びをしよう。

ガンチ:このコーナーに出てくるフィクション犬であり私の心の叫びとリンクしている。ちょっとガラが悪いが気にしなくていい。ガンチの行動は過去に出会った半端じゃない犬たちをモデルにしています。
これから時々登場しますのでどうぞよろしく!

他の登場人物   
 
 コマンダーさん:元グリーンベレーの隠居のおじいさんでガンチの飼い主
 ゴードンさん:コマンダー家の隣に住むフリーライター   
 サリー:ゴードンさんの愛犬

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