こんにちは。“絶滅危惧種”の中村です。
今日もため息が出る・・・。
そこはタイトルに苦悩がついてるのでご勘弁願いたい。
“咬む犬は直らない”という訓練士が大半のようである。
その理由はまとめるとこんな感じである。
「訓練士がその犬との勝負に勝って服従してくれる様になったとしても、それは単に訓練士をボスと認めただけの事で直った様に見えても飼い主をボスと認めたわけではない。
血だらけになってでも犬との勝負に勝ってボスの座を奪い取らなければ直らない。」
つまり犬が飼い主に服従しないと咬むのは直らない、と・・・・
ここで大きな疑問が発生する。
「服従訓練入れたのに飼い主のこと咬むの?何のための服従訓練なの?」
まずは訓練士に咬まなくなるように訓練する。これができなくては飼い主が飼えるわけがない。だが普通の訓練士は自分に咬まなくなったことで冒頭述べたように「それはオレがボスになっただけで云々」を語り出し、それ以上のことはしない。
服従訓練を施す前段階としてやはり犬との勝負に勝つことは必須。問題はそこから先である。大半の訓練士はここで油断する。自分と犬との主従関係が出来た時点でそれ以上することはないと思ってしまう(この時点では潜伏期間中の恐れ有り)。オスワリやフセ、アトヘなどの服従課目を施しただけでは咬む行為はなくならないのである。その先に飼い主の下に戻っても咬みつかないための本来の服従訓練を施す大事なポイントがあるのである。そこをクリアできれば飼い主の下に戻っても咬む可能性はほとんどない。
通常の服従訓練もやはり訓練士が犬の上位に立つ(コントロールする知恵と力)という構図の下に成り立ち、そこにエサやおもちゃ、いわゆるご褒美を利用することによって人の指示に従う喜びと義務があることを教え、練習を通して犬が飼い主にも従うことを覚え、指示に従うようになる。
「訓練は一つ」・・・・・。私が弟子達に口を酸っぱくして言っている言葉である。
つまり本気咬みの犬だって服従訓練の施し方によっては練習の末、飼い主が血だらけになることなく犬をコントロールできるようになり平穏に暮らせるようになる可能性は多分に残されているのである。
アプローチの仕方は違えども基本はすべて同じなのである。
訓練士が訓練する→飼い主が取り扱えるように突き詰める→訓練士仕様ではなく飼い主仕様に変換する→飼い主が練習する→指示に従うようになる
赤字のところが欠けているのである。簡単に言うと“訓練士のための訓練”になっているのである。
もう一つ!咬まれなくなった理由がただ単純に「ボスになったから」と思っているようではボス以外の飼い主にも咬むのである。ボスであろうとなかろうと咬む行為そのものはやってはならないことと教え込むのである。そして“咬む必要がない”というところまで突き詰めるのである。そうすれば犬本来の服従心が芽生えはじめ、清らかな目で飼い主を見つめるようになるのである。
詳細に関しては企業秘密なので明かせないのですが卒業した本気咬みの犬の再犯率は1%・・・。飼い主が血だらけになることもなく犬と平穏にくらしているという事実だけはお伝えしておきます。
1%(卒業した本気咬み咬癖犬の再犯率)という数字。咬む犬は直らないという人はなんて思うんでしょうね。
今日もため息が出る・・・。
絶滅危惧種:中村信哉は危機に瀕しながらも今日も咬みつくわんこを見守る
咬癖犬更正率 | 90%(本気咬みの矯正で入所して卒業できた犬) |
再犯率 | 1.39%(矯正完了と判断して卒業した犬の再犯率) |
咬癖犬矯正未完率 | 10%(本気咬みの矯正で入所したが更正の兆しが見えなかった |